呼吸の痕跡 series 2005 -

-Traces of breathing series-

2005年に開催された展覧会の企画名及びコンセプトで、映像作家の黒岩正隆氏とのコラボレーションによる構想から始まった。

ローカルから「東京」という大都市に黒岩氏と共に訪れる事を計画し、旅を共有することから生まれるインパクトをそのまま制作にぶつけるというプロセス。その根幹的な志向として、記憶を「視覚化する」というオードソックスな事実を、初期衝動から丁寧にプロセスとして見つめ直し、「時間」や「存在」といった漠然とした事実や本質のようなものに迫ろうとした。

この経験は企画展終了後も私にとって強い後遺症となり、常に当たり前のように視えている目前の事象に対して、意識的に描くという単純な生業をより神経質に覚醒させてくれる機会となった。

 

呼吸の痕跡 Traces of breathing   mixed media / panel  2014

日々はうつろに漂流し  oil / panel  2005